20代前半の頃のこと。
高校時代、同級だった女の子から電話がかかってきました。
久しぶりに会わない?
とのことでした。
高校時代、特に仲が良かったわけではありません。
というよりも同じクラスだったけど、
1度も話したことがありません。
連絡を受け、僕らは新宿のアルタ前で会いました。
仲が良かったわけではないのですが、
あちらは随分とハイテンションで、
親しげに話しかけてきました。
お茶をして、思い出話に花が咲いたところで、
「会ってもらいたい人がいるんだ。素敵な人だよ」
と言って、
千駄ヶ谷にあるビルの一室に連れて行かれました。
そこで会ったのが、小太りの中年女性。
少し話をしていくうちに、
「あなたって、こうよね」
と上から目線で人の性格を診断し始めました。
なんだ? 初対面なのにこの人?
と思いつつ、話を聞いていくと、
「このセミナーを受けると前向きになれるよ!」
と言いだしました。
「彼女も受けて、とっても変わったんですよ」
とのこと。
同級生の女性もニコニコしながら、
僕にセミナーを勧めてきます。
あれ?
俺、同級生に会いにきたのに何で勧誘されてんだ?
いったいこれ何の勧誘?
胡散臭さを覚え、丁重にお断りしました。
後に知ることになるのですが、
それは「自己啓発セミナー」への勧誘でした。
1990年の前半の頃の出来事です。
つづく(たぶん)